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9章:†Smile for me†
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珍しい事に、凪が起きて来ない。
昨日、余程堪えたらしい。
しかも、ご飯がタイマーになってる。
タイマーで炊くのは、冬場限定だったのに。
いや、冬場でも余りしない。
凪がダウンしてるので、私が朝食の支度をする。
先ずは、リビングとキッチンのシェードを全部上げて、翔を起こす。
翔、おはよう!
昨日、来た琉斗は、翔の言う通り、本当役に立ってくれたよ。
翔が呼んでくれたんだね?
ありがとう。
今珈琲淹れるね。
そう言って、取り敢えず水を換える。
お花はまだ大丈夫。
そして、ミルフィーの餌と水の容器を洗う。
ペーパーで拭き取って、水を汲むと、定位置に。
そして、餌を入れる。
ミルフィーは、蓮の所。
蓮はもふもふが気に入ってるようだ。
珈琲を落としてると、琉斗の部屋が開いた。
琉斗はそのまま、トイレか洗面所に行ったようだ。
夕べ、3人ずつでお風呂に入ってた。
私は勿論翔と一緒。
琉斗は、洗面所に行ったようだ。
私達は、洗顔用のタオルとバスタオルは、個人で持つ事にしてた。
万が一、と言う事も有る。
母がそうさせた。
その習慣だった。
琉斗にも、バスタオルとフェイスタオルを、夕べの内に、数枚ずつ預けた。
タオルについては、蓮がギャルドから、新品を横領して来てた。
社長も公認らしい。
それで、此処のタオルは、全部ブランド物。
確かに、しっかりしてる。
『姉ちゃん、おはよう』
琉斗が来た。
『おはよう!
まだ、寝てて良かったのに』
『ん?習慣。
朝、結構早いんだ。
お客様の朝食の支度が有るから』
そう言うと、琉斗は翔にお線香を上げて、しっかりと手を合わせる。
それから、深々と頭を下げた。
珈琲が落ちた。
3つのカップに注ぐ。
『琉斗、珈琲が入った』
『うん、ありがとう』
カウンターに置いた。
1つは翔の所へ。
ご飯もそろそろ炊き上がりそうだ。
夕べ、結構胃袋を苛めてたので、今朝はお雑炊にする。
水樹コッコの卵と、椎茸とキャベツ、人参、鶏肉。
それに万能葱を散らす。
出汁は、当然ほんだし。
相変わらず、味の素様々の料理をしてる。
これは、きっと一生続くと思う。
『姉ちゃん、訊いていい?』
と、カウンターに来た琉斗が言った。
『うん、なぁに?』
冷蔵庫を覗きながら応える。
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