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8章:‡なんくるないさー‡ (3/45)

琉斗のパフォーマンスがスタートした。

やっぱり、こう言う事ってお腹の出たボブさんより、アメリカンボーイの方が、似合う。

此処だけの話だが。

格好い〜い♪

ルイもレジ開けの手を止めて、琉斗を見る。

随分慣れてるようだ。

そして、そのリズムはリタルダンドして行き、ゆっくりと止まった。

スタッフの人数分の、お子様用の小さなグラスに注ぐと、みんなに配る。

『僕のオリジナルカクテル』

不思議なオレンジ色。

綺麗だけど、淋しそうな、静かな色。

『ありがとう』

ルイにも手渡す。

そして、キッチンに行く。

『店長、本日のオリジナルってメニューに有ったんで、作ってみました。

飲んでみて下さい』

『オリジナルカクテル?

そんなの出来ちゃうの!?』


『サンセットパラダイス。

ちょっと強いかも知れないけど、口当たりは悪くないと思います。

ホテルで出してました』

サンセットパラダイス。

夕焼けの色だったんだ。

飲んでみる。

『美味しい♪』

『あら!これ凄く美味しいわね!?』

『うん、これ出して!』

と店長が言った。

『旨い!』

と凪も。

海斗迄飲んでる。

『ベースはウォッカなんで、結構強いんですけど、足付きのグラスで出しますから』

と琉斗が言った。

『結構オリジナルって有るの?』

とロッキーが訊くと

『う〜ん、10種類位かな?

でも、お客様のイメージで、思い付きで作っちゃったりもするし』

『カウンターに座ってさ、自分の為だけのカクテルが飲めるっていいよな。

大したもんだ』

とロッキーが言った。

『そうなんですけど、あんまり色々やっちゃうと、お客様に

〔この前のを頼む〕

と言われても、すぐに思い出せなくて』

と言って笑った。

そして

『パフェやア・ラ・モードのデコレーションって決まってるんですか?』

と訊いた。

『いや、特に決めて無かったんだ。

任せるよ。

ただ、レシピは有るから、ファイルを確認して』

と店長が言った。

『解りました。

じゃ、僕流で作らせて貰います』

『試しにチョコレートパフェ作ってみて』

『解りました』

と言うと、琉斗はカウンターに。

私も着いて行く。

『Ryan!Goo!』

とルイが空いたグラスを上げて見せた。

『Sunset Paradise♪』
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†ふぁみりぃ† ©著者:Jude(ユダ)

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