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8章:‡なんくるないさー‡
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ライアンは、ファイルを開いてチラ見すると、すぐにパフェを作り出した。
速い、速い!
プレオープンの時には、出さなかった。
でも、今日からは全部のメニューを出す。
とにかく琉斗は速くて驚いたが、この速さじゃないと、ホテルじゃ対応仕切れないのかも知れない。
あっと言う間に、綺麗なパフェを作り上げた。
それを店長に持って行く。
『ああ、見事だ!
かなりやって来てるね?』
『そうですね。
とにかく、何でも屋でしたから。
そうしないと、仕事が回らないんです。
それに、外国人のお客様は、遅かったり、見た目が悪かったりすると、それだけで突き返す方も居ましたから。
日本人は、一番寛容だったかも』
なる程。
『そうだよな。
プロはプロとして見られちゃうからな。
日本人にはその意識って割りと少ないかもな』
と、林檎も剥けない筈のロッキーが、南瓜の皮を剥いてる。
グラッセ風に煮て、お子様ランチに添えるそうだ。
上手じゃないですか?
シマシマに皮を残してる。
南瓜の皮剥き、私は苦手。
『ロッキーさん、上手ですね?』
『ん?そうかい?
でも、俺は不器用だからな』
『いえいえ、私、南瓜の皮剥きって苦手なんです』
『本当はね、皮ごとの方が栄養は有るんだよ。
皮って太陽の光を直に浴びてるからね』
『そうですよね!』
そっか、だから栄養が有るんだ。
母も南瓜は皮ごと煮てた。
この方が栄養が有ると言ったし、林檎も、皮ごと食べなさい、と言った。
太陽光ってパワーが有る!
『じゃ、このパフェ、みんなで食べていいよ』
と店長が、バイト3人と有弥と幹耶に言って、5人が作業をしてるテーブルに置いた。
『ヤッタァ♪』
有弥が早速、スプーンを持って来てみんなに渡す。
琉斗はまた、カウンターに戻った。
『あの子、凄いわね?』
と、今はトマトの湯剥きをしてるジンが言った。
『厳しい世界に居たんだろうな?
観光業で成り立ってる土地柄だし、外国人も多いからな』
と店長が言った。
『やっぱり、ホテルを経験してると、違いますよね?』
凪が、医療廃棄物、いえ、魚の残骸を纏めながら言う。
『まぁ、この辺のホテルとは全く違う。
色んな意味でかなり厳しいと思う』
と、店長が言った。
そうだよね?
外国人が多いんだもん。
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