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7章:†青い瞳の島人(シマンチュ)†
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今朝は秋茄子のお味噌汁。
凪は、汁にお茄子の色が溶け出すのを嫌って、おつゆだけ作り、切ってレンジで軽くチンしたお茄子を、最後に入れる。
こうすると、色素がおつゆに溶け出す比率が、僅かとなる。
お茄子はスポンジのような野菜なので、すぐに味が凍みる。
皮は剥かない。
私は、裸のお茄子が苦手。
何となく気色悪い。
塩鯖、炒り鶏、温泉卵、海藻サラダ。
そして、昨日の凪の店のお通しの、烏賊の塩辛。
今回は悠斗が作ったようだ。
お店では、大根おろしに載せて、柚子をトッピングして出す。
お通しの中では、何時もトップ3にランキングされる人気のお品。
砦が作る時も有る。
翔にも、塩鯖と他のおかずとお味噌汁を供える。
不思議な位、ミルフィーは手を出さない。
勿論お腹がいっぱい、と言う事も有るのだが、でも食べたいのは食べたい。
猫に青魚と甲殻類、貝、烏賊と蛸はダメ、と水樹さんは言う。
昔の人は
〔猫に烏賊を食べさせると、腰を抜かす〕
なんて言った。
これ、単なる迷信ではなくて、本当だった。
神経を麻痺させてしまうらしいのだ。
でも、日本のにゃんこは魚好き。
環境に順応してきたお蔭で、ある程度の魚は大丈夫らしい。
本当は上げたくない、青魚は、独特な臭いがするせいか、好きなにゃんこは多いようだ。
で、ご多分に漏れずミルフィーも。
有弥の傍に正座する。
『本当はダメなんだからな』
と言って、有弥が少し手の平に載せる。
喜んで食べる。
次は、幹耶。
『青魚はイケないんだぞ』
と言いながら、手の平に載せる。
嬉しそうな顔をする。
ミルフィーは、一度貰った人の所へは、余り行かない。
凪と芳樹からは貰えないのを知ってるので、私に来る。
が、凪はミルフィーに炒り鶏を差し出した。
『お前、これなら喰っていい』
本当は鯖が欲しい。
が、珍しく凪から貰えたので、それを食べた。
すると満足したようで、顔を洗い始めた。
それでも、翔の物には手を出さなかった。
誰も躾てない。
不思議な猫だ。
感謝の儀式を終えると、サンルームに行って、しょっぱかったのか、水を飲む。
また顔を洗って、マットの上で丸くなった。
サンルームは椅子とテーブルを置く予定だったが、今やすっかりミルフィーの部屋になっていた。
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