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6章:‡凪とご近所‡
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部屋に帰る。
お出迎えにゃんこが来た。
『ミルフィー、留守番ご苦労』
と凪が言うと
{んにゃ!}
と返事をする。
凪が、戴いたお米を、キッチンに運ぶ。
そして、袋を開けてお米を摘む。
『これ、かなり旨いぞ!』
と言った。
『ご飯が楽しみ♪』
凪は、そのお米を小皿に取ると、翔に供えてろうそくを灯した。
『翔、この米、旨いぞ!
楽しみにしてろよ』
と言って、お線香を上げて手を合わせる。
私もお線香を上げる。
ミルフィーは、誰かが手を合わせる時には、大抵傍に正座して、翔の位牌を見つめてた。
『俺はそろそろ店に行くけど、りぃ、昼飯どうする?』
『ん?ご飯残ってるし、適当に食べる。
凪は?』
『俺は仕込みながら、摘み食いする。
定食用の飯も炊くし』
と、その時いきなり玄関が開いた。
〔居るんだろ!?〕
金子食堂の奥方だった。
勝手に玄関に入って来た。
『何なんだ!?』
凪が玄関に行く。
『何なんですか?
いきなり入って来ないで下さい!
インターフォンが有るじゃないですか!?』
『べつに近所なんだから、構わないだろ!?』
『近所付き合いはしないんじゃなかったんですか?』
『夕べはあんたの妹に、散々恥を掻かせて貰ったんでね!
一言言いに来たんだよ!』
『もう昼ですよ?
お店は忙しくないんですか?』
『店は忙しいけどさ、ちょっと上がらせて貰うよ!』
『お断りします!』
『そーかい!?
じゃ、妹呼んで来な!』
『それもお断りします!』
『そーかい!?
あんた、今、高木さん所に行ってたみたいだけど、何しに行ったんだい?』
『お答えする必要は有りません』
『家とは付き合いが出来なくても、他とはするんかい?』
『当然ですよ。
皆さんとてもいい方ばかりですから』
『そーかい!
家とは付き合わない癖に、他ん家とは付き合いをするんかい!?』
『だから、そうだと言ってるじゃないですか!?』
『今聞いて来たんだけど、お宅は、小林さん家でプロパン取るんだって?』
『そうですよ、ご近所だし。
ユニフォームのクリーニングは田辺さんですし、高木さんにも色々と。
樋口さんにも、これから交渉して、野菜をお願いするかも知れませんし。
煙草屋さんからも、お店に置く煙草を戴くし。
ご近所は大切ですからね』
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