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3章:†ミルフィー†
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貰ったメニューを見る。
高い!
カツ丼が800円もする!
レバニラ定食が850円!
因みに北城台で利用する柏屋は、レバニラ定食500円だった。
肉入り野菜炒め定食950円!?
なんで!?
柏屋は650円。
中華丼も800円。
柏屋は450円。
柏屋のお兄さんに、このメニューを見せたくなった。
それに、柏屋はお店で食べると、何か必ずオマケに付けてくれる。
新しく何かを作ると、出前と一緒に試食だと言って持って来る。
りかは、柏屋の大ファンで、帰省すると必ず出前を取っていた。
その位美味しい。
金子食堂って、旨いのか?
でも、中華丼に800円だなんて、この節では信じられない値段だ。
{出前迅速}ねぇ……
取り敢えず、テーブルに置いた。
しかし、あの夫婦が作るのか?
お絞りで顔や首筋をゴシゴシ拭き捲って、ナプキンを使えば、丸めて置くし。
使い掛けのフォークを直にテーブルに置いて、また、平気で使ってたし。
奥方だって、デザートを手掴みで、指先をなぶるし。
味云々の前に、衛生観念に問題が有りそうだ。
それでも、わざわざメニューを持って来て、あんな殊言われちゃったら、やっぱり付き合うしかないのか?
ん?幹耶らしい。
プレリュードのエンジンが停まった。
同じプレリュードでも、ルイの逆輸入のプレリュードと、幹耶のプレリュードでは、微妙に音が違う。
インターフォンが鳴る。
〔姉ちゃん、おはよ!
入るよ〕
玄関が開いた。
『おはよう!
今日仕事休みなの?』
幹耶、最近以前のような、派手なシャツは着なくなった。
やはり、仕事が仕事だから。
『うん、今日は休み。
今日、プレオープン最終日だね』
『結局みんなに食べて貰えなかった』
『拓也さん達、開店する迄待ってるってさ』
『幹耶、珈琲でいい?』
『うん……
って姉ちゃん、これなんだ?』
と幹耶が、金子食堂のメニューを見る。
『メニューがチャチイ割には、出してる物高くね?
だってさ、山勝軒だって、中華丼350円だよ?』
『やっぱり高いよね?
すぐそこのお店なんだけどさ、夕べ散々な目に遭ったんだよね』
と珈琲を落とす。
幹耶に夕べの事を話した。
『あ、金子ってあそこん家か〜!』
『幹耶、知ってるの?』
幹耶がニヤニヤしてる。
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