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2章:‡煌璃とご近所‡
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この居住スペースは、店と横並びに造ったのだが、店の出入り口は北側なので、南側の窓を覗かれる心配は殆どない。
それで、南側にサンルームを造って貰った。
そこにもいずれ、小さなテーブルセットを置きたいと思ってる。
珈琲の香りがして来た。
誰かが珈琲を淹れたようだ。
みんなの家でも在るので、みんな自由にキッチンに入る。
冷蔵庫もご自由に。
リビングに集まるのは、身内関係。
勿論、もう、凪と有弥と幹耶は居る。
この3人は、ルイと一緒に開店準備でお店に行ってる。
元ルイの店に居た、藤生尚希(22)
高校を出てからずっとフリーター。
ルイの会社に入社させようと、ルイも説得した事が有ったらしいのだが、本人が今イチその気がなく、結局諦めたようだ。
基本的に、接客業が好きらしい。
ジッとしてるのは苦手だとか。
とにかく仕事は出来る。
ルイも、頼りにしてたスタッフだった。
その尚希と一緒にホールを回すのは、やっぱりフリーターの浅沼大地(19)
2人とも似たようなタイプなので、上手くやってくれる事は期待できそうだ。
そして、キッチンスタッフの、鴇田海斗(20)
ファミレス系の、ステーキハウスに居た。
全く何も出来ないワケじゃないが、マニュアル通りにやって来てる。
つまり、自分のやり方と言うのは、余りない。
後はシェフに着いて行って貰うだけ。
シェフと海斗は、昨日からキッチンに居る。
海斗は、口数の少ない子だが、必要な事はちゃんと話す。
小貫シェフは、厳しいが、誉めるべきは誉める人。
35才にして、まだ独身。
結婚は余り考えてないらしい。
この店の店長。
経験も豊富なので、本当に心強い。
温厚な性格で、ルイのお兄さんが店を始めてから、ずっとあの店に居た。
あのシェフだから、家はリピーターが多い。
何時もルイが言ってた。
そう聞いて、頷かない者は居なかった。
『こんな感じでいい?』
と、芳樹が合わせ鏡をした。
アップに纏めた髪。
襟足にカールさせた髪を少し垂らして、後ろ側は、捻った髪を何本も、真ん中に寄せ集めて。
どうやって留めたのか、やって貰ってたのに、全然解らん。
『ね、この後ろの髪、全部奥に入ってるけど、どうやって留まってんの?』
『ん?それは内緒♪』
『りぃ、喋らないで!』
あ、メイク中だったっけ。
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