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17章:初回。
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17章:初回。
スマホの地図を頼りにお店へと向かう…。
初めてのホストでそれも初回で1人。
でも私は度胸が座ってるからなんて事はない。
たーくんに会う事だけにドキドキしていた。
勝手に来てしまった。
このビルだ…
「いらっしゃいませ!」
「あ、初めてなんです…」
「初回一名様ご来店!」
奥からいらっしゃいませ〜!っと独特な声が聞こえた…。
「初回のお客様には身分証を‥」
えっ。知らなかった‥身分証はあるけどそれには私の秘密が‥。
「あの。ホストの方に住所や年齢等は内緒にしてもらえます?」
「勿論でございます!」
内勤?の方を信用して渡す‥。
「はい。確認できました。
こちらへどうぞ‥」
1番手前の席に案内され、お酒のオーダーの仕方などを教えてもらう。
とにかく三千円らしい。
指名も一名までは無料‥。
「指名は?」
「‥‥いません‥‥」
来た事がうしろめたくて、もうできたらこのまま帰ってしまいたくなるくらい恥ずかしくて
悲しかった。
こんな、きらびやかな世界で働いてるのか‥。
もうたーくんに会わないでこのまま帰りたい‥。
「はじめまして」
顔を上げるといかにもホストな男の子が笑顔で立っていた。
目の前に座る。
お酒の話や、初回の事。
レンの事は勿論内緒で‥。
少ししてふと目線を感じると
彼が柱に隠れて顔だけヒョコっと出した
「なんで来てんねん」
おどけたような、困ったような、笑顔で言ったね。
「え!?レンの知り合いなの?」
「あ、まぁ…」
「こんな美人隠してたのかよー。お前は呼ばれてないから今は俺の番!」
「ゆな、俺、指名して」
指名した後も初回という事で10名位次々について回った。
お世辞だとわかっていても
綺麗だね。スタイルすごいね。
可愛すぎるー。
嬉しかった。
でもそんな言葉を聞きに来たんじゃないの。
ホストのレンくんにサヨナラする為に来たんだ。
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