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11章:アフター (2/10)

「ふーっ。ゲン直しだ、ゲン直し」

春希は少女の残像を打ち消すかのように軽く頭を振って、そのままチェーン店らしき近くの雀荘にしけこんだ。
点5と若干レートは安いものの時間潰しにはなるし、第一怪しげな店に入って大勝ちしたとしても、口をぬぐわれてしまえば元も子もない。
七海とのアフターまでには、まだ2時間程あった。


―そして、約1時間後。
かれは水を得た魚のように活き活きとしていた。

「いや、店はまだ決まってないよ、ゆめちゃん。でも今日中にあたりをつける予定で…ツモッ」

携帯を片手に、ピアニストのように華麗な指捌きは、対象が牌であろうとカードであろうと変わりはない。

『ツモッ、じゃないわよ!ひとが真面目に話してるんだから、ちゃんと会話しなさい。ちょっと春坊、聞いてるの?』

「聞いてるって…あ、それ、ロン。つーことだから、また掛けなおすよ」

かれは一方的に電話を切った。場の全員がぎょっと目を剥く。

「ロン、倍満…」

3人の敵意に満ちた視線を軽々と受け流す。

「若ぇもんは、ヒキが強ぇなあ。勝ち逃げはさせないぜ、お兄ちゃん」
一見して生業の判りかねる常連客らしき中年がビール臭い息を吐き散らしながら挑んでくるのへ、軽く肩をすくめる。

その時再び携帯が鳴った。七海だ。

(さっすが、いいタイミングだぜ!)
ひそかに送った讃辞と裏腹に、春希は迷惑そうな声で受けた。

「っせーな!だから後にしろって…え、まじかよ!わかった、今、行く」

途中から春季の意図を察して黙った七海であったが、開口一番の『早上がり、できたよー!今風鈴開館の二階の喫茶店で、』と居場所を告げる言葉はしっかりとかれの脳裏に刻み込まれていた。

「悪い、急用だ」
すみやかに雀荘を出る。絡まれでもしたら、時間の無駄だ。
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生まれ変わりの詩(うた) ©著者:薫

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