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10章:束の間の抱擁
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「・・・待てよ、俺は」
彼の言葉は音楽にかき消された。
愛がーどういう仕組みになっているのだろうかードレスの背面を操作するやいなや、やや小振りではあるが白く形のよい乳房が零れ出る。
ブラックライトの中で、それは思わずはっと息を飲むような鮮烈な眺めだった。
「おい」
しかし、今度ははっきりと、春希は愛の身体を引き寄せて耳元で言った。
「俺は、普通のキャバだと思って、入ったんだ。子供の胸を揉んで歩く趣味はねーよ」
「子供じゃないわ。愛とダウンタイムするの、イヤ?」
「俺からしたら充分、子供だよ、ロリコン人形さん」
愛の初めてのはっきりとした自己主張と、暗い中での密着感に少しだけいつものペースを取り戻して春希は軽口をたたいた。
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生まれ変わりの詩(うた) ©著者:薫
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