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5章:邂逅(かいこう)
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「失礼ですが、どこかでお会いした事が…?」
「ああ。覚えちゃ、いないだろうけどな。まあ座りなよ、カリスマホストさん」
こういった事は初めてではない。
彼は幼い頃から人の視線を集めることには慣れていたし、それに全く動じることはない。
大体自分を見る者、値踏みする者を、いちいち意識していては身がもたないのだ。
しかし、目の前の男はかれに不思議な既視感を与えた。
本来ならば指名を受けたホストは客の隣に座るのが決まりとなっていたが、何とはなく持ち前の警戒心が働いて春希は向かいの椅子に腰掛けた。
かれの躊躇いを見抜いたかのように、男は名刺を取り出した。
『兜町総合法律事務所 弁護士 秋崎亮』
「別に俺は怪しい者じゃねぇよ。刑事でもゲイでもない。」
「それじゃあ、東京の弁護士先生が何でまたすすきののホストにですね…」
「前世の恋敵の顔を拝みたくてね」
男はおもむろに眼鏡を外してにやっと笑った。
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生まれ変わりの詩(うた) ©著者:薫
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