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9章:♯9 (1/2)

9章:♯9

さすがに陽射しが傾き始めて、涼しい風が吹き抜けます。

それとは逆に、リレーの選手が入場する姿に、見る者の目は奪われます。

観客は、この日にリレーの選手を初めて見ます。

しかし誰の目にも、赤組と白組の選手の違いが、はっきりと見分けられます。

あきらかに違う体格の差で、白組に有利なのが分かります。

そんなことは、赤組の選手は百も承知。

とくに意気込むこともなく、それぞれのスタート地点に身を起きます。

この時に、校庭に張り詰めた空気の違いを、赤組の選手は感じていました。

やはり戦況の変化を知ることは、勝利を獲得するために、わずかでも必要なのかもしれません。
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たくされたバトン ©著者:香澄怜良

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