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2章:2.Rei (100/101)




家へ帰る前にスーパーに寄り
材料を買い込む。


今日は
チーズ入りのデミグラスソースのハンバーグとポテトサラダとポタージュを作る。
全てレイが好きな食べ物だ。


その時、
私は目を疑った。
体が動かなくなってしまった。


「なんで・・」


もっていた買い物カゴを落とし
てしまい
挙句には足に力が入らなくて、
カタカタ体が震える。


隠れなきゃ。


早く。早く。早く。



心の中ではそう思うのに
体は思う通りには動かなくて
もどかしくて。
とんでもないくらいに傷口が痛む。


早く動かなきゃ
隠れなきゃ
ここを離れなきゃ


その時、私はその男と
間違いなく目が合った。
目眩がした。
グラグラと視界が揺れる。


そこにはかつて
私を愛し、憎み、命を奪おうとした男が、勿論買い物とは
思えない雰囲気で立ち
唖然と立ちすくむ私を見て怪しげに微笑み
ペロリと舌なめずりをした。


まるで蛇に睨まれた蛙だ。
動けない私にヒカルは
一歩一歩ゆっくりと近づく。


ここは都内のスーパー。
さすがにこんなところで
刺されたり変なことをするとは
思えないが上着のポケットに
突っ込まれた両手になにを
握っているのだろうか。



5メートル、3メートル
1メートル、と徐々に近づく距離。
目をギュッと閉じる。


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3 ©著者:Arisa.

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