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8章:*パンジーパープル*
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8章:*パンジーパープル*
いつの間にか
れんは
ワタシが店に行くのを
嫌がるようになった。
店から
遠ざけるように
遠ざけるように
仕向けた。
それでも
会いたかった…
嫌われても
痛客でも
いい。
ただ
会いたかった…
ワタシは
自分の店を持つために
密かに
密かに
貯めたお金があった。
何があっても
崩したくなかったが
でもれんに会えるなら
いいと…思った。
喜んで欲しかった。
笑い顔や
照れた顔が
見たかった。
れんに
【彼女達みたいに高いお酒を卸したい…れんの喜ぶ顔がみたい】
【お金ならあるから】
そう言うとれんは
無言のまま…
札束が入って
ぷっくりと膨らんだワタシの
パープルのトートバッグを持ち
さっさと出口の方へ
向かった…。
なぜ
なぜ
ワタシはダメなの?
パープルのトートバッグが
アイスグリーンの照明にあたって
そこから
不気味な闇を
うみだしているようで
怖かったよ
悲しかったよ…
泣きたかったよ。
扉を閉めると
タクシーに押し込まれた。
れんはワタシに何も
言ってはくれなかった。
れんは運転手に何かを伝えていた。
【終わるの遅いけれどそこで待ってて】
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