私は成功者。
誰もが羨む成功者。

夢を叶えたんだもの。
このために頑張ってきたんだもの。

いつかは全国展開をするの。
全国の人が私に注目して集まるの。
それくらいの人徳もあるし実力もあるの。
じゃなきゃ夢なんてもたないもの。

さぁ待っていなさい。
私があなたたちの前で微笑むまで。
私に群がってるあなたたちの姿が目に浮かぶわ。



ベッドに持ち込んだ手鏡に向かって、彩子は自分自身に言い聞かせていた。

冷たく高らかに微笑む姿は、まるで白雪姫を追い出そうとするお妃のようだった。