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15章:beautiful silence (2/105)

マンションの中庭の猫たちがいつもよりも大量の餌にかぶりついている頃、梨紗はコーヒーを飲みながら携帯電話でルートを確認していた。




随分前に、野村が梨紗に見せようと購入した心霊DVDの撮影地、自殺者が多発する森へ向かうのだ。
しかしそれは肝試しなんかではなく、火山の噴火により出来た他とは違う景色を見たいのだ。




聖哉「 本当は2人で行きたかったんだけどな... 中々時間とれねーのに普通来るか? 」



梨紗「 良いじゃない。あんなに輝いた目で行きたいって言うんだから。 私たちには時間たっぷりある。でも彼と3人で過ごせるのは今だけかもよ? 」




聖哉はバックミラーを見ながらため息をついた。
そう。後ろから自分の車でまるで金魚のフンのようについてきているのは野村だった。



あの森へ行くと伝えた聖哉にどうしても自分も行きたいと言い出したのだ。
後部座席はベットにしたかった為、車も宿泊も別で構わないからと付いてきたのだ。




梨紗「 貴宏、1人で運転してて暇じゃないのかな。 私一緒でも良かったのに。 」




聖哉「 あいつは今までずっとキャンプも1人で行ってたんだ。長距離ドライバーも向いてるかもな。 」




梨紗「 ふーん。 」



車内にDVDを流しながらコンビニで購入したお菓子をボリボリ食べる梨紗。その姿は子供のように感じた...
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BLUE MOON ©著者:RISA

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