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10章:すれ違い
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東京に着いた時には、既に日付が変わろうとしていた。
祐実に連絡を入れ、迎えに行けるのは00:30くらいになると伝えた。
祐実は寝ずに待っていると言った。
急いで車の中に用意しておいたスーツに着替え、車を走らせ祐実の実家へ向かった。
しかし
到着すると、元気に走り回る文也の姿があった。
「さっきまで寝てて、今起きたの。
なんだか熱が下がったみたい。」
祐実はあっけらかんと言ってくる。
僕は祐実に怒りを覚えた。
「こっちは仕事終わらせて、疲れてる中急いで迎えにきたのに、、」
いや、ふみかといたかった。
そう言いたかったが、そんなこと言えるはずがない。
「ごめんなさいね。
せっかく迎えに来てくれたし、帰りましょ。」
祐実は文也を呼んだ。
文也は祖父母とまだいたいと騒ぎ、祖父母も名残惜しいのか、明日送っていくから置いておきなさい、と言った。
祐実は、それじゃぁ、と文也をそのまま託し、帰る準備をした。
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僕と彼女の物語 ©著者:いで みずほ
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