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10章:初めての◇後半
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私がベッドからソファに座り直すと、男性は静かにバスルームに消えました。
きっと、主人達を呼んだのでしょう。
5分程してバスルームから戻ると、私にコーヒーをいれてくれました。
その香りで少し落ち着きます。
目の前に置かれた黒い液体をぼんやり見ていたらドアが開き、主人と男性の奥様が入って来ました。
勿論手には、コンビニの袋なんか持っていません。
私はとても複雑な心境でした。
それは
少し悲しく、少し情けなく、
大いに恥ずかしく...。
そして、一線を越えなかった事への
よく分からない安堵感。
「君にとびきりのプレゼントがある。
受け取ったなら、我を忘れて楽しむことも必要だよ」
部屋に入る前に主人に言われた言葉が、男性にキスされた時に甦ったくせに...。
〈とびきりのプレゼント〉
って、これなの?
そう思ったくせに...。
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