12章:第九回めのお祓い〜愛犬とじじい (2/15)

ソワカは十年ほど前に、溺愛していた愛犬を病気で亡くしました。



アメリカンコッカースパニエルの男の子で、仮に『コッカちゃん』としましょう。



当時、ソワカと一緒に暮らしていた方が、相談もなく勝手にコッカちゃんをペットショップでかってきたのに、ソワカに全て押し付けました。



根気よくしつけする事ができず、トイレを失敗するコッカちゃんをバンバン叩いたりするので、それにソワカが怒って、二人は喧嘩が絶えなかったそうです。




ある日ソワカは、突然同棲を解消すると告げられ、探して来たマンションはペット禁止だからと言って、コッカちゃんを当たり前のように置いて出て行ってしまいました。




ソワカは、コッカちゃんに愛情があったから、引き取る事に問題はないけど、あまりの身勝手さにびっくりしたそうです。



でも、これで目を離した隙にコッカちゃんが引っ叩かれないことに安堵したようです。