ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

5章:悩みごと (1/11)

5章:悩みごと

「私の悩みは...、たいしたことないんだけど、聞いてもらっても良いですか?」


少し腰を低くしながら女の子は男に目を向ける。


「あぁ...、いいよ」


つれなく聞こえる寂しげな声も、なぜか時間が経つごとに、やさしさの一部のように感じ始める。

はじめから彼女は気づいていたのかもしれない。

そのやさしさに包まれたくて、勇気を出して声を掛けたのかもしれない。


「じつは少し前に...、失恋したんです。
無口なカレだったんだけど、一緒にいると落ち着くんで...。
何も話すことがなくてもドラマを見たり、音楽を聴いて過ごしていました」

やはり店員が、やさしく微笑む。


「若い頃には、良くあるよね。
どっちから告白したの?」

柔らかな声は、安らぎで店を覆いはじめる。


「長い間、私の片思いだったんです。
告白したいんだけど、どうしたら良いのか分からなくて...。
だから学校では声を掛けられなかったんです」

力を帯びた彼女の声が、彼の瞳に光を与える。


13 /71

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

赤い果実 ©著者:香澄怜良

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.