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8章:TAKAHIRO (166/166)

軽く食事を済ませ野村を送ると二人は自宅に戻る。
梨紗は自分の部屋に入りいつもの部屋着に着替えていた。


梨紗「 喪服、クリーニングだすから出しといてね。」



聖哉「 わかったよ。コーヒー飲むか? 」



梨紗「 入れてくれたの? ありがとう。 」



ソファーに座ると聖哉の膝の上に梨紗も腰掛けた。



聖哉「随分若かったな。あいつの母親... 可哀想に。 」



梨紗「 いつも通りにしてあげて?」



聖哉「 ん? 」



梨紗「 ハチ。 戻ってきたらいつも通りにしてあげて。 」



聖哉「 わかったよ... 」



聖哉は梨紗に優しく口付けた。
最愛の相手を亡くした悲しみを背負いこれから残された者たちは生きていかなければならないのだ。
いつまでも悲しんでいる訳にはいかない。
梨紗はその苦しみをわかっているからこそ普段通りにしてやれと口にしたのだろう...



これから何十年連れ添う相手。そう思っていたが、聖哉も梨紗もいつまで生きるかはわからないのだ。年齢なんか関係ない。
梨紗を抱きしめながら力強くなる鼓動を聴き自分勝手な考えだとわかっていながらも彼女の死に顔は見せないでくれと心に願った...
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Darkness of mind ©著者:RISA

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