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17章:旅立った君
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床に倒れた君は血を口から吐いた状態だった。
ナースコールした。
病室から一旦出された。
外の椅子で震えが止まらない。
病室のドアが開いて先生から
「覚悟を決めて下さい」
私は床に座り込んだ。
「優斗と話せますか」
「声は聞こえるはずです」
私は病室の君の手を握りしめた。
言葉が出て来ない。
君の手を握りしめるのが精一杯。
君の目が静かにあいた。
「優斗、優斗、分かる私だよ」
君は酸素マスクを外すと私を引き寄せ、耳元で
「なっちゃん、あい」
首にある君の手が落ちた。
先生が駆け寄り
「23時32分、御臨終です」
私はその場に座り込んで動けなかった。
私は冷たくなった君にキスをした
唇は凄く温かかった。
君の両親からは
有り難うなっちゃんと泣かれた。
私には君との最後の約束だけが残った。
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