ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

3章:赤信号 (31/32)

「『この世のもの全ては刻一刻と変化し、同じものなど何も無い』という事です……寂しいと感じれば近付けばいい。辛いと感じれば 離れればいいのです……ただ忘れないで欲しい。全ては無情にも変わっていくものなのだよ」


心に切々と響く声音はやがて音符を刻み、緩やかなピアニッシモのアリアを奏でた。


ーーもう戻らなくていい。

優しく大らかだった敬二。
はにかんだ笑顔が愛おしかった悠河。

その二人を変えてしまったのも、醜さを引き出したのも……若き日の大切な想い出を踏みにじったのも私だ。


「ああ、自分を責めないで」


男は心を読んで話を続ける。


「こう考えてください……彼らとあなたは、違う世界に居るのだと……あるいは目指している場所が違うのだと……。ゆっくりで良いのです。少しずつ、ちょっとずつ考えてみてください。あなたなら、きっと分かる日が来ます」


私はアリアの音色を浴びて眼をつむる……暖かな陽射しが、涙で濡れた頬を包んだ。


ーー男の声は次第にかすれ、それなのに頭の中にハッキリと聞こえる。


78 /190

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

東京ショートストーリー ©著者:七斗

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.