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2章:花嫁の左手 (10/27)

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年が明けても“結婚式の招待状”は届かず、私も日々の忙しさにかまけて麻由と連絡を取っていない。

しかし、依頼したミュージカルパフォーマンスの稽古(けいこ)入り日も近付き、彼女と他に依頼したスタッフたちに連絡を付けて、打ち合わせの会議を設定する。

約束の日時。
勤務先のミーティング室にて、ぽつりぽつりとスタッフたちが集まり始めた。

最初に顔を見せたのは麻由だった。


「おはようございます。麻由ちゃん、相変わらず約束事は来るのが早いね。助かります」

「おはようございます。坂本さん。いいえ、当然です」


変わらずの美しさの中、彼女は辞儀をしながら席に着く。私は用意した資料を手渡した。


「これ、進行表と舞台平面図ね……あ、そうだ。お式の日取りは決まった?」

「いえ……」

「ん? お二人とも忙しすぎて先に延ばすのかな?」

「いえ…………」


指先では資料を繰りながら、少し寂しそうに笑う。
そしてすうっと息を吐いて、私の眼を見詰めた。


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東京ショートストーリー ©著者:七斗

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