1章:旅立ち (2/3)

【ジーク】に密かな想いを寄せる
【リリア】という少女を茶化して居ると、リリアに恋心を抱く
【バルト】という少年がジークに噛み付いた。

『余裕？何が？』

『何が？じゃねーよ。
お前、スライム1匹にも半殺しに遭ってるのにほんとに大丈夫かよ』

『ははっ、心配してくれてんのかよ』

『バカ言え…別になんとも思っちゃいねぇや』

『まぁ、16になったばかりのガキんちょが、大の大人が相手でもヒーヒー言ってるホンモノのバケモンを相手にガチでやりあってくワケだから…下手すりゃマジで俺…』

『………。』

『…死ぬと思う』

『…やだ…』

『………。』

現実を直視した本人の一言に、
賑やかな空気が凍りつき、
静まり返る。

『…怖くないの…？』

『…そりゃこれから痛いだろうし、苦しいだろうからな。
怖くないなんつったら強がりだろーよ』

『………。』

『…けど、一族のしきたりだ。
宿命だ。責任だーなんつって、
この歳まで言い聞かせ育てられたんだから今更嫌だーなんて通用しねーだろ』

『…国王陛下には今晩謁見なんだろ？』

『あぁ』

『…国の期待を背負ってくんだ。
胸張って行ってこい』

『…頑張るよ』