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10章:ー汽車からー
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釜釜は最後まで優しかった。甘いといってもいいぐらいだろう。こんな状況でも娘に自首を進めず、孫を守ろうとしている。
誰から批判されようとも、彼が一番大切にしているものは家族だった。
私の中でそれが分かった瞬間、泣いた。最後に泣いたのは。。。思いだせない。それほど前だったのか。
「釜釜。雪蘭、とっても美しいわ。林にそっくりよ。頭も私に似ていいわ。冷静で育てやすいいい子。お願い釜釜、武范で育てて欲しいの。」
「わかったよ。任せて。いますぐ大連に向かう。明日の夜には着けるだろう。雪蘭、、、それまで大丈夫だろうか?」
「釜釜、雪蘭はとっても聞き分けがいいの。待つように言ったから彼女は警察がそのドアを蹴破るまで家にいるわ。そういう娘なの。」
「わかったよ、安心して。ともかく雪蘭は私が保護してこちらに連れて戻る。警察に怪しまれないよう帰りは時間がかかっても汽車で武范に戻る。近所には親戚の子を預かってるというから大丈夫だ。警察もまさか大連から武范までこないだろ。」
「釜釜。
ありがとう。」
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