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5章:ー分岐ー
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すっかり林の女になったつもりの私は食堂のバイトを辞めていました。春になり新しい学年になるころには、私は御察しのとうり街のカラオケガールになっていました。
寮にもあまり帰らなくなり、林の家で寝泊まりし通学していました。夜が遅かった為、遅刻が増えましたが両親にはまだそのことはバレていませんでした。
「芽衣さん。今晩は。お久しぶりです。ちょうど一年前ですね、駅でお話した経済院の春霞です。」
「あぁ、あれからお会いしませんでしたね。あなたもバーに?偶然ね。」
芽衣のさっぱりとした、つまり残酷な表現でした。私のようなどこにでもいる容姿の子が夜中バーで遊んでいることを本当に不思議に思ったのでしょう。私はそんななにげない一言に傷つくぐらいまだ純粋でした。
しかし、そんなはっきりとした性格の芽衣を羨ましく、憧れもしました。
「え、え。たまには私も飲みます。嫌いじゃないから。」
「そうだったのー。わたしもディスコやバーは好きなのよ。今度一緒に行きましょ?いいじゃない?」
「いいわね!いつにする?」
「来週の金曜日?」
「金曜日かぁ。。。ちょっと。。。」
「あら、ダメ?どうして予定が?」
見栄っ張りの私はカラオケガールのアルバイトとは言えず、金曜日を約束し、アルバイトなどしていないと芽衣に嘘をついていました。両親は武范でおおきな流通会社を経営しており、姉は医師と地元で結婚、私は卒業後数年北京で会社員をした後、地元の名士と結婚の予定などど、とんでもないストーリーまで作っていました。
嘘
嘘をついているのに、私は気持ちがよかったのです。まるで芽衣と同等になったような感覚をあじわいました。芽衣は裕福な家の娘でした。残念ながら兄はおらず、1人娘でしたが、北京市内の洒落たマンションに会社経営者の両親と三人で住んでいました。素晴らしいマンションで、武范の我が家がみすぼらしく恥ずかしいとまで、感じていました。何度も遊びに行ったり、食事に行ったり、私たちは親友といえるほど仲良くなりました。
私の希望はまたしても叶いました。芽衣の親友になれたのです。
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