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9章:#9 (12/12)




初めて入った男の子の部屋。
そばにはベッドがあって、嫌でも意識してしまう自分がいた。

バレないように必死で平静を装う。


「なに?緊張してんの?」

「してないし!」

「…悪かったな。おまえまで巻き込んじゃって。」


柊也は急に真面目な顔で横に座った。


「エリカとはもう関係ないから。」

「…酷い男だね。」

「そうゆうの嫌い?」

「別に。」


この舐めた目つきや、ふてぶてしい態度は嫌いじゃない。


エリカみたいな女はあと何人いるんだろう。






「なぁ、後でちゃんと説明するからさ、とりあえず今は何も知らない振りしてくれる?」

「え?なに?」

「びっくりすると思うけどさ。」


何かに諦めたような哀しい横顔。
そんななんとも言えない表情で、柊也は色のない笑みを浮かべた。


その言葉の意味は理解できなかったけど、あたしは頷くしかなかった。


柊也があまりにも切ない目をしたから。


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僕らのゆうき ©著者:結月 杏奈

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