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「おい、ちょっと来い。」
登校するなり柊也に腕を捕まれ、そのまま捕獲された。
女子たちの悲鳴にも似た声と突き刺さる視線の中、廊下をズルズルと引きずられる。
屋上に着いてようやく解放された。
「おまえ、なにやってたの?
電話しても繋んねーし。心配するだろ?」
「ゴメン…」
ふて腐れた顔した柊也は、わざとらしいタメ息をついてから煙草に火をつけた。
「携帯、壊れたんだ。」
「は?…って、おまえ、ちょっとこっち向いてみ?」
顎を捕まれ、柊也の方を向かされた。
「どーした?この傷。」
柊也は眉間に皺を寄せながら、唇の切れた痕を怪訝そうに見つめる。
「別に。ちょっとコケただけ。」
「嘘つけ。コケてここだけ痣になるかよ。」
腕や足に怪我がないか素早く確認される。
「殴られたのか?」
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僕らのゆうき ©著者:結月 杏奈
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