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2章:夏休み (1/10)

2章:夏休み

時期にして夏休みに入った頃だったか。

蝉がミンミンと鳴き、
うだる炎天下の下、
なけなしの小遣いをポケットに忍ばせ駄菓子屋でアイスをむさぼる俺と友人。そしてもれなく、金魚のフン子。

スーファミやりたい盛りだった俺は早く友達ん家に上がり込んで、クーラーの効いた快適な空間でまったりゲーム三昧したい気持ちをよそに、どうにかしてフン子をまくかに思考を働かせていた。

『フン子さぁ』

『何?』

『もうプール始まってるんちゃうん?』

『うん』

『参加したらスタンプ貰えるんやろ?』

『うん』

『行ってこいや』

『やだ!』

『なんで?』

『プール、嫌い』

『………。』

俺と妹が喋ってる間、友達は無口だ。

『ある程度スタンプ貯めとかな、先生に怒られへん?』

『わからん』

『じゃあ家で夏休みの宿題やれよ』

『お兄ちゃんの友達の家でやる』

『あつかましいねんお前…』

『…別にいいから、そろそろ行こか。暑いわ…』

と友達の一言で結局この日もいつものメンツ。
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金魚のフン子ちゃん ©著者:ひさお

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