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2章:あらっ…。 (1/13)

2章:あらっ…。

あらっ…。

ここはどこ?

あたしは誰?


病院?

そしてあたしは御津橋良一



確か太郎に追いかけられてタクシーにひかれかけたのは覚えてるけど…
何か知らないけれど頭の中がスーッとするって言うか、クリアになったと言うか…。

タクシーにひかれたショックかしら?
タクシーにひかれる瞬間に何かを悟ったのかしら?
あたいは少しおかしくなったのかもしれない。

おかしくなったと言うよりも今まであたしの頭の中で渦巻いていた負の感情…

劣等感や嫉妬など…
自分のことを棚にあげて全部のせいにしてきた人生だったけれど、今まであたしの中にこびりついて決して消えなかった感情が全て吹き飛んでとても清々しい気分よ。

こんな気分は幼稚園の時以来かしら?



ベッドの横では太郎が居る。

聞いてみたらあたしは一晩意識が戻らなかったみたいだわ。



太郎、迷惑かけたね。

太郎には本当感謝してる。

今までのひねくれたわたしは死んだの。

わたしは生まれ変わったのよ。

遅咲きかもしれないけれど、これからあたしはあたしの人生を楽しんで生きるわ。
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メイドと四谷 ©著者:南月☆Dieち

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