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19章:春 (5/5)

峰は、消毒のために何度か病院に通ったが、
痛みに慣れてくると、病院通いをやめてしまった。

そして、サラは看護師でもないのに、包帯の巻き方が異常に上手になった。


飛ばしの携帯を使った「ウリ」のしのぎを再開してからは、また以前の様にあぶく銭が入ってきたため、
その金を元に、また闇の金貸しを始めた。

堅気の人間ならば、免許証のコピーだけで無条件で金を貸し、
違法な金利がたまるまでは、あえて返済の請求をしなかった。
「どうにか許してもらえるだろう」
と、甘い考えの奴等は、生まれて初めて筋者の恐さを思い知らされる。

峰は、どんな境遇の人間だろうと容赦無く取り立てた。
車を取ったり、職場まで脅かしに行ったり、
その場で着ている服を脱がせて、その服を売りに行かせたりした。

相手が女の場合は、サラがうまく説得して、
自ら風俗で働く様に仕向けた。
ある程度容姿が整った女は、求人に載っている一般の店で働かせ、
客がつかない様な女は、
峰の「ウリ」で働かせた。


ブランドのコピーも、面白い様に良く売れた。
3000円で仕入れた財布を、10000円で売りさばいた。
売れ残った物は、ホストクラブに持って行けば、
ホスト達が泣く泣く購入した。


野球やサッカー、相撲ですら、峰たちにとっては良い金になった。
勝敗を賭けさせ、勝っても負けてもマイナスにはならなかった。


そして、峰とサラは、新しい金儲けを思いついた。
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人魚姫 ©著者:涙 しずく

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