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20章:金と権力 (3/5)

サラがクラブに出勤すると、珍しい客がサラを待っていた。
名前は「直也」
ホストクラブのナンバーワンだ。

ついこの間までやっていた「しのぎ」で、
一番名前が出ていた直也に、
サラは
あの時はご苦労さん
と、声をかけた。

直也はサラより5つ歳上で25歳だった。

肩を小さくしながら座っていた直也は、テーブルについたサラの細い身体に緊張していた。

「何か話があるの?」
透き通る様なサラの声で我に返った直也は、

彼女と結婚するので、これを機会に、今のホストクラブを辞めて、
新しく店を経営する事。
今後ともよろしくお願いします。
と、
サラに頭を下げた。

サラは、
おめでとう
と、ピアスを揺らしながら微笑んだ。

直也は、持ち前のルックスを生かし、色恋営業、枕営業で人気のホストだった。
峰に大金を払い、直也と彼女を別れさせたと思い込んでいる女達は、一体どんな気持ちになるのだろう。

まあ、よくある話だし、トイレの貼り紙を剥がした時点で、峰にもサラにも、もう関係の無い事だった。


直也は、最後までサラに怯えた様にペコペコして、
生ビール二杯の料金7000円を払い店を出て行った。

サラは、見送った後も微かに漂う直也の香水の残り香を感じながら、
一人吹き出してしまった。
大金を払い、峰に別れさせ工作を依頼してきた女達の顔を思い出したのだ。

「ヤッてる最中に、直也の携帯がしつこく鳴ると、可哀想って感じ。多分彼女からだと思う」
「直也に愛されてると、彼女に悪いなと思う。」
「私が直也を指名しているの彼女知っているみたいで、嫉妬されてるみたい」

依頼してきた女達の言葉は、何とも惨めでみっともなかった。
峰が唾を吐いた気持ちが良くわかる。
彼女よりも愛されている
と、あり得ない妄想を膨らませた女達は、
今回の結婚の事を知ったら、ますます醜く嫉妬に狂うのだろうか…。

また他のホストに貢ぐのなら、組関係のホストに貢いでもらいたい。
売り上げの一部を期待して、サラはそんな事を考えていた…。
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人魚姫 ©著者:涙 しずく

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