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15章:流れ
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ある日、竜也はとんだ。
いなくなったのだ。
周りの人間は気にしていたが、峰は最初からすべてわかっていたため、そのままほおっておいた。
竜也は峰にとって、いなくなっても何の害も無い、そんな人間だった。
飛ばしの携帯と、量りの機械を置いて行った事は、好都合だった。
短期間だったがあぶく銭が手に入り、峰とサラは贅沢に飲んだ。
竜也を愛し、最後まで貢いでいた女達は、
竜也がいなくなってからでも、口座に金を振り込み続けた。
サラは、そんな女たちを口車に乗せて、自分達の「ウリ」の仕事をさせた。
人の弱みは金になった。
人の善意も、金になった。
あの日、古ぼけたホテルで一人流した涙の味が、
サラの心に染み付いて、
「弱肉強食」
そんな想いを一層強くさせた…。
峰が買って来た血統の子猫は、
何も知らずに幸せそうに昼寝をする…。
サラは、
冷たくなった瞳を少しでも暖める様に、
可愛い子猫の寝姿を見つめた。
外から入ってくるテイルランプは、変わらず赤い。
煙草の煙も、変わらず部屋を漂うだけだった……。
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