ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

16章:薬 (3/6)

アパートの部屋に戻り、テレビをつけると、
今が明け方だという事に気付いた。
昨日の夕方からホテルに入り、一晩別の世界に行っていた。
そんな感覚だった。

サラは、重い身体を引きずり、子猫に餌をやった。
まだ少し薬が残っている様で、可愛い子猫に対して、何の感情もわかなかった。

疲れ切ってベッドに横になった峰は、
勘ぐる元気も無い様子で、特におかしな事も言わず、そのまま眠ってしまった。
サラも、峰の腕枕で瞳を閉じた。


シトシトと雨の音が聞こえる。

車が通るたびに、
水溜まりを叩く様な音が聞こえる。

時計の音が聞こえる。


「うるさくて眠れない」

サラは布団に潜り、ひたすら峰の鼓動だけを聞いていた。


暑い。
寒い。
怖い。
寂しい。

今にも叫びだしそうになる異常な精神状態が落ち着くまで、あとどれくらいだろう。

そんな事を考えていたら、ふと峰の携帯が気になった。
覚醒剤が切れ始めた時の、サラの妄想だ。

峰がどこかに携帯を隠しているはず。
その秘密の携帯で、誰か女と連絡を取り合っている。絶対に捜し当ててやる。

目についたところ、全部調べないと気が済まない。
時折、バイブが響く様な気がする。
冷蔵庫の裏が、ボンヤリ光る時がある。

「妄想」だとわかっていても、サラは堪らずにベッドから起きだした。
冷蔵庫の裏しか見えない。
冷蔵庫の裏が光る。
携帯の液晶の光りだ。
85 /151

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

人魚姫 ©著者:涙 しずく

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.