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6章:冬 (2/6)

いつの間にか、冬が始まろうとしている。
辺りは何となく灰色に染まり、街中でも星が見えるほど、澄み切った空気が漂う。

サラの髪が木枯らしに揺れると、すれ違う男たちは皆振り返った。



ある夜、峰は、組関係の人間に呼び出され、近くのホストクラブへ行った。

しばらくしてから、サラは峰が携帯を忘れて行った事に気付き、ホストクラブまで届ける事にした。

夜の街。真っ白なファーのコートに包まれたサラを見つけると、街角に立つ黒服やホスト達は挨拶をして媚びを売る。

ホストクラブに入ると、店の代表が飛んで来て、VIP席で飲んでいるヤ○ザの集団の席までサラを案内した。
「姐さんご苦労様です」と挨拶される中、何人か峰より上の組員がいたため、サラは峰に携帯を渡したらすぐに帰ろうとしたが、一番上の人に引き止められて、一緒に飲む事になった。

一時間くらい遊んだが、薬を辞めてからも勘繰りを引きずっている峰の嫉妬により、二人は早々切り上げた。

峰の舎弟やホストの代表が車まで見送る。
二人は車に乗り込み、食事でもしてから帰ろうかと話ていたら、ふいに峰の携帯が鳴った。

相手は、まり子だった。

まり子はあれから実家に帰り、しばらく峰からの連絡を待っていたらしい。峰がまだ自分の元へ帰ってくると信じていたらしい。

しかし、峰から何の音沙汰も無くてしびれを切らしていた頃、風の噂でサラと暮らしている事を知り、すごい剣幕で峰に電話をしてきたのだ。

まり子は、もう峰は自分に振り向かないとわかると、今まで峰のために使った金を返せと言ってきた。

マンションの部屋も、どうやらまり子の名義らしい。サラと暮らしていると知り、明日にでも解約するだろう。

車も、名義は峰だが、金を出したのはまり子だったらしい。


そんな話を聞いても、サラは鼻先で一つ笑っただけだった。
峰を手放したくないがため、まり子自身が自分の意思で出した金を、振られたから返せとは、みっともないにも程がある。

そう思った。
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人魚姫 ©著者:涙 しずく

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