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8章:ありがとう (2/3)

冬の終わりがみえてきた頃、連絡がきた。

【予後あと1ヶ月ですって。】

わたしはそこで初めて病気のことを尋ねた。
根掘り葉掘り、詳しく聞いた。

肝臓癌。

無知なわたしはネットでググったり、仕事帰りに図書館に寄ったりして、調べに調べた。
胡散臭い怪しい雑誌まで取り寄せて調べた。

しかし、どれも答えは同じことしか書いていなかった。
「症状が出る頃には既に手遅れ」。
わたしは何度も唇を噛んだ。

【海人くんには知らせたんですか?】

春人さんが口にしなかった名前を、出してしまった。

【いいえ。俺が死んだら、連絡がいくようになってます。】

春人さんから、淡々と返事がくる。

【骨は海人の住むところの海に撒いてくれって、遺書に書きました。】

わたしはもう必死で、なにを返信したか覚えていない。

【2、3日前から下血もあって、もう正直、この部屋から出れる気がしません。】






【もう一回、釣りしたかったな。】











【海人を思いっきり抱き締めたい。】
















【桜、みたかったな…。】
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春 ©著者:柚木

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