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8章:売れ残った私
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8章:売れ残った私
私は、ホームセンターで売れ残って、ペットショップに来ていた。
どこに行っても同じで、ここでもケージの中だ。
ケージの外では、人間達が私の気を引こうと色々な手を使ってる。
うるさいなぁ。
愛想を振った所で、連れて帰ってくれる訳じゃないし、ウザイから寝た振りでもしようかしら?
あくびをして、ケージの端で丸くなった。
ケージの前で、小さい人間の子供が
「ワンワン、ワンワン。」
と、声を掛けている。
ああ、本当にうるさい。
子供に背中を向けて寝た振りをしたら、やっと違う犬に興味を移してくれた。
良かった。
これで落ち着けるわ。
その夜、店長と永井さんが話していた。
店長「この子はダメね?」
この子?私の事?
永井「ちょっと愛想が無いですね?」
店長「顔も可愛し、血統も良かったから、期待したんだけど。」
永井「どうしますか?そろそろ繁殖犬にしますか?」
店長「そうね。この子なら、いい仔犬を産みそうだしね。」
永井「いつ頃連れて行きますか?」
店長「そうね…火曜日に、仔犬の引き取りがあるから、その時に連れてくわ。」
私、またどこかに移動するのね?
どこでもいいわ。
ちゃんとしてくれれば。
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届かない叫び ©著者:杜若 キウイ
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