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3章:曼珠沙華Ⅱーー哀しき白磁の女。 (56/56)

〈色は匂へど 散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ 有為の奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず〉


ーーこれでやっと岩橋に勝てるのだ。岩橋を超える事ができる。

もう鞠菊は、未来永劫(えいごう)、自分だけのものになるのだから。


鞠菊と“運命共同体”だと言うのなら、岩橋の“運命”にさえ、届かぬ場所に連れて行くよ。


鞠菊……なぁ、“初めで終わり”だ。



ーー自分が唯一出来る、恋敵の岩橋への抵抗を今、示す。


気持ちが高揚して、知らず知らずのうちに大きな声で笑っていた。

困惑して眉をしかめる彼女を尻目に、俺は逸(はや)る胸のうちを抑える。

びりびりと包装紙を破いて床に投げ捨て、ああ、紙片はあたかも“曼珠沙華”の花びらのようにちらちらと舞い落ちて……。



俺は……クリスマスプレゼントを、硬く握った。





実にーーーー清々しい気持である。








【曼珠沙華・哀しき白磁の女ー終】




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東京いろは歌 ©著者:七斗

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