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3章:曼珠沙華Ⅱーー哀しき白磁の女。 (2/56)

赤坂は坂の街である。およそ二十五以上もの坂がある。

そして、坂上と坂下が街の雰囲気を二分している。

坂の上は大きな高級マンションなどが建ち並ぶ高級住宅街、坂の下は飲食店を中心とした商店街とビジネス街だ。

江戸時代に於いても高台は大名・武家屋敷。坂の下は庶民の暮らす街であった。


東西南北に連なる五通り商店街が在り、外堀通りに平行して最も東に位置するのが〈エスプラナード赤坂商店街〉だ。

昔は〈田町通り〉と呼ばれ、今も白板塀と黒板塀が軒を連ねるしっとりとした街並みである。


俺はその通りに面した不動産会社に勤務している。



そう……もう十年ほど前になるだろうか。

入社したての俺は、通りの外れにあるおでん屋へ、先輩の前咲(まえさき)に連れられて初めて出向いた。

その店は、周りを囲むビルの中にひっそりと佇む日本家屋で、真っ白な暖簾が掛かっている。その右隅に小さく店名が書いてあった。



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東京いろは歌 ©著者:七斗

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