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52章:ロースと従姉妹の子 (1/2)

52章:ロースと従姉妹の子

ロースの話が続いてますね。

そのくらいロースは面白い体験をしてくれます。(笑)

私の従姉妹に小学生になる息子がいました。

名をマトンとしましょう。

マトンは、とても乱暴で思い通りにならないと、親戚の叔母達にまで暴力を振い、ヒステリックに叫ぶ様な子でした。

ですが、それは父親に余り構って貰えない寂しさの表れで、根の悪い子ではありません。

本当は家族想いの繊細で優しい子です。

私が母の田舎に行くと、

マ「クルミが来るから俺も行く!」

と、母の実家に来て姪のクルミ(イチゴの娘)と仲良く遊んでくれました。

この頃は、イチゴが長距離トラックに乗ってたので、私がクルミを連れて歩いてたんです。

私が話をすると、目を輝かせて聞いてくれたり、ヒステリックになっても、きちんと話をするとわかってくれたりと、私達には、とても可愛い子だったんです。

ロースが一緒に母の実家に行った日も、マトンは遊びに来てくれました。

マトンはロースになついて離れません。

父親が恋しいんだな。

見ていて寂しい気持ちになりました。

「またね。今度は海にキャンプに行こうね。」

私達はマトンにそう約束して別れました。

マトンは海でキャンプをした事が無かったので、喜び、楽しみにしていた様です。


その翌年、マトンは流行りのウイルスにいち早く感染し、亡くなってしまいました。

わすが9年の命でした。

約束の海にも行けませんでした。

お葬式で顔を見ましたが、顔はむくみ、唇は少し血が付いていて傷もあり、紫色に晴れ上がっていました。

唇を噛み締めるほど、苦しかったのでしょう。


後日、ロースがこんな事を言っていました。
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無意味な力 ©著者:杜若 キウイ

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