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44章:イチゴの彼氏 (1/2)

44章:イチゴの彼氏

イチゴの元彼の話です。

彼は霊感がかなりあった様で、いつも色々な物が視えていた様です。

彼には昔、メンタルを病んだ女の人が付きまとっていました。

その女の人は、彼が振り向いてくれなかったので、自殺してしまいます。

それからも、その女の人は霊となり、彼にまとわりつき、彼を悩ませました。

彼に好きな女が出来たら、その好きな女にまで危害を加えるのです。

イチゴも色々あった様で…

ですが、人一倍気の強いイチゴです。

イ「そんな女に負けない!」

と、頑張っていました。

イチゴが彼と付き合ってから、結構な月日が経った頃。

いくら邪魔をしても別れない二人に業を煮やした女の人は、遂に彼をあの世に連れて行こうとします。

車を運転中の彼の首もとにいきなり両腕をまわし、驚かせてハンドル操作を誤らせたり、

運転中の彼を眠らせようとするのです。

私「悪霊じゃん」

その話を聞いた私は彼が心配になりました。

彼「うん。困ってるんだよね」

彼は見るからに憔悴していました。

後日、余りにも気の毒なので清めの塩を作り、彼に渡しました。

私「これ、運転中にまたその人が来たら舐めてね」

後で聞いたら、彼にはそれが清めてあるのが、わかったそうです。

私「早目にお祓い受けなよ」

私には、それくらいしか出来ません。

多少の霊感があっても、霊能力がある訳では無いのです。

私の持つ霊感なんて、本当に微々たる物で、私なんかより彼の方が霊感は強いはずなんです。

それからも、彼は色々とその女の人に悩まされたようです。

清めの塩を舐めた時は、離れてくれたそうですが、塩が無くなると、また戻ってくるそうで、

結局、私が知っている限りでは、お祓いしてなかったですね。
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無意味な力 ©著者:杜若 キウイ

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