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38章:母の話…その9 (1/2)

38章:母の話…その9

母は若い頃、死に目にあったそうです。


その日、母は具合が悪くて布団で横になっていたそうです。

ふと気が付くと、見た事もない川岸に立っていました。

対岸では、白い着物を着た沢山の人がこちらに向かって手を振っています。

「こっちにおいで」

「綺麗な花が沢山、咲いているよ」

人々は母にそう誘いかけます。

その中から1人の男の人が歩み出て、川を渡って来ました。

母「父さん。」

亡くなったはずの祖父でした。

祖父は母を迎えに来たのでしょう。

良く向こう岸を見ると、曾祖母までいて、見た事もない綺麗な花が咲き乱れていました。

母は誘われるままに川に足を踏み入れ渡ろうとしました。

川は浅く、そんなに大きくも無いのに中々前に進めません。

祖父はそんな母を心配してか、何度も何度も向こう岸と母の回りを往復しますが、一言も口をきいてくれないのです。

母「父さん待って、渡れないよ」

そう言っても祖父は無言で、川を行ったり来たりしているだけでした。

母は汗だくになり川を渡ろうと一生懸命でしたが、いい加減、腹が立ち

母「無理だ。帰る!」

と、怒って帰ってきたそうです。


気が付くと…

目の前には祖母の心配そうな顔がありました。

着ている物は、川を渡ったかの様にびしょ濡れです。

祖母「良かった!気が付いたんだね?
お前、死にかけてんだよ。」

母は湿疹が首を巻き、皮膚呼吸できずに死にかけてました。


母「あれが三途の川だったんだね。」

と、言います。

後日、祖母にその話をしてこんな人がいた、とか言うと、

「それは母さんのお祖父さんだ。叔母さんだ。母親だ。おまえの会った事の無い人ばかりだよ。」

と、言われたそうです。

母「あの時、川を渡ってたら…母さんは死んでたんだろうね?」

てか、母さん死んでたら、私もここにいなかったよね?
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無意味な力 ©著者:杜若 キウイ

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