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37章:母の話…その8 (1/2)

37章:母の話…その8

その日、母は祖母と姉と3人で実家の田んぼに出て畑仕事をしておりました。

田んぼからは川を挟んで本家があります。

ふと、本家の方を見ると、煙が見えます。

「本家が火事だ!」

母と母の姉は水量の少なかった川を渡って近道しようとしました。

「母さんは橋を渡って来て」

祖母に声をかけ、母達は川に入り歩きました。

もうすぐ渡り終えると言う場所まで来ました。

が、何故かそこから先に進めません。

いくらもがいても無駄なので、諦めて戻り、橋から本家へ走って行く事にしました。

本家に着くと、家の中にいた寝たきりの曾祖母は救助されており、火事も消火した後でした。

火元は火の気のない場所で素人目にもあきらかな放火。

いつも庭先で遊んでいる母の従兄弟も見当たりません。

この母の従兄弟は頭を病んでいます。

どこからか虫や小動物の死体を持ってきては、お墓を作り遊んでいました。

曾祖母の着替えを見て

「グフフフフッ」

と、気味の悪い声を出して喜んだりもするのです。

田んぼに隠れていた従兄弟を見つけて連れてくると、従兄弟は曾祖母を見て舌打ちをして悔しがりました。

放火したのは、この従兄弟だったんです。

曾祖母は何かを感じたのでしょう。

後日、お大師さんに見てもらいました。
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無意味な力 ©著者:杜若 キウイ

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