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35章:祖母のなぐさめ (1/1)

35章:祖母のなぐさめ

父方の祖母は、祖父が亡くなってからも1人で暮らしていました。

祖母は昔、幼い娘をなくしています。

まだ赤ちゃんだったと聞いています。

祖母は、余りに幼い娘を手放せず、いつまでも遺骨を手元に置き、寂しくなったら割り箸などで、つついていました。

その為、成仏できなかったのでしょう。

たまに亡くなった曾祖母が、泣く赤ん坊を連れて来て

「泣き止まねんだ。オメー、乳さやれ。」

そう言って祖母の胸に赤ん坊を抱かせたそうです。

祖母が泣き止まない娘に乳を含ませると、すでに出ないはずの乳に嬉しそうに吸いつき、心ゆくまで飲んだ後、赤ん坊は泣き止んでスーッと消えて行くそうです。

私は、祖母にその遺骨を見せてもらいました。

仏壇の下の引き出しに、大事そうに白い布で包まれた骨壺は、とても小さく、少し黄ばんでおり、その古さを物語ってました。

叔父が墓を買った時に

「じいさんに任せよう。」

と、父達兄弟が祖母を説得し、墓に納骨してからは来なくなったそうで、私達は今でもお墓に行く時は、乳児用のお菓子や飲み物を持って行く事にしています。
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無意味な力 ©著者:杜若 キウイ

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