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31章:母の話…その6 (1/1)

31章:母の話…その6

母の通っていた小学校の話です。

地元でも有数の豪族の家が火事で焼けてしまいました。

その時に、逃げ遅れた奥さんと、まだ幼かった子供が犠牲になったそうです。

焼け跡がら、当時まだ貴重だった大きな鏡が無傷で発見され、持ち主は母の通っていた小学校に寄贈し、その鏡を階段の踊り場に設置します。

しばらくすると

「あの鏡に、焼死した親子が映る」

そんな噂が流れはじめ、先生方は当直を嫌がる様になります。

(昔、学校に泊まり込み、見回る事を当直と、言ったそうです)

そんな時、新任の男の先生がやってきました。

新任の先生は、そんな噂を笑い飛ばし

「僕は、そんな話、信じないよ。
今夜、僕が当直して、噂が嘘だと証明しましょう。」

と、意気揚々と学校に泊まり込みました。

宿直室で夕食を取った後、見回りに行く事にしました。

懐中電灯を手に、一階から順に一部屋、一部屋見て回り、次に二階へと階段を登り、あの鏡の前に来た時です。

鏡に女の人と小さな子供が映っていました。

「熱いよ。助けて」

何が起きているのか、訳がわからず見ていると、鏡の中の親子は焼け爛れていき

「熱いよ、苦しいよ、助けて」

と、泣いたそうです。

先生は真っ青になり、あわてて用務員室に駆け込みました。

用務員さんが

「どうしました?」

と、聞くと

「で…出た。出たんです。鏡に、親子が!
本当に見たんです!!」

と、事のいきさつを話し

「恐くて1人で宿直室にいれません。
ここに朝まで置いて下さい。」

と言い、用務員室の布団にくるまり、朝まで震えていたそうです。


翌年、その先生は逃げるかの様に転任して行きました。

学校側は、その鏡をお寺に引き取ってもらい、供養をお願いしました。

お寺で供養してもらってから、その親子は鏡に映らなくなったそうです。

今、母の通っていた小学校は廃校となり、建物もありません。

学校前に建っていた、二宮金次郎像は、いつの間にか盗まれてしまいました。

ですが、あの鏡は、まだお寺に存在しているそうです。
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無意味な力 ©著者:杜若 キウイ

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