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6章:それぞれの道へ
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6章:それぞれの道へ
『はるねぇちゃん!はるねぇちゃんやん!ずっとどこ行ってたのぉ?パパのところいってたの?』
弟が抱きついてきた…
あたしは弟を抱きしめてごめんね。ごめんね。っていいながら混乱してた。
久しぶりの実家…。玄関からすぐのお座敷はテレビがついてるけど誰もいない。
お母さんは?お父さんは?
二階から誰かが降りてくる足音が聞こえたから弟を抱きしめてたけど顔をあげた。
お姉ちゃんだ…!
お姉ちゃんは一瞬驚いた顔をしたけどすぐさめた表情であたしをただ見つめてる…
沈黙に耐えられなくなり
「お母さんとお父さんは?」
と聞くと
『あんたがおらん間に色々本当に大変やったんよ…1ヶ月も帰らんでいまさら帰ってきてなんなの?お母さんは仕事の時間が変わっていま夜の10時まで仕事しよる!お父さんは…知らん。』
お姉ちゃんは声を震わせながら一気に話した。
その声からは、怒りや悲しみが伝わってきてあたしは初めてみるその姿に胸が苦しくて申し訳なくて目を見れなかった…
「ごめん…」
言いたい事は沢山あったけどその一言しかでなかった。
お姉ちゃんは何が言いたげだったが二階にあがっていった。
弟に
「ずっと帰らんでごめんね。夏休み遊んであげれんでごめんね。もう9時すぎとるけど眠くない?」
と言うと
『はるねぇちゃんの嘘つき!ゲーム一緒にクリアしてくれるって言ったのに!いまからして!僕眠くないもん。ママ帰ってくるの毎日まっとるけん眠くないもん。』
といってゲームの準備し始めた。
あたしは弟やお姉ちゃんの話から家の状況をなんとなく察知したけど帰ったら怒られるしか考えてなかった自分勝手な自分が情けなくて情けなくて涙がでそうなのを堪えて笑って弟とゲームをしていた。
玄関を開ける音がした…
お母さんだ…!
弟が玄関に走っていって
『ママ!ママ!はるねぇちゃんが帰ってきた!』
と言った。
あたしは今にも心臓が飛びだしそうになり唾をゴクリとのみこんだ。
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