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2章:白夜
通りを間違えば通り魔に遭ったとしてもわからないというのに、メイン通りはくどいほどネオンがびかびかに光っていた。
ネオンが漏れる橋の上でですれ違う人間は酒気帯び特有の汗や皮脂の匂いがし、それがドブ臭さと混じって吐き気がする。
この人が多いというのに安いジーンズに薄い財布を収めた若者たちが前方を遮っていて、煩わしささえ覚えながら、寒空の下女の尻を追いかけるのが俺の毎日だった。
ーークソ、あのおとなしそうな女なら行けそうだったのに。
心の中で舌打ちをし、苛立ちながらも今回は虚しく見送るしかない。
最低だ。底冷えする深夜3時過ぎ。自分でキャッチを上げるか、宅が半分以上埋まらないとしばらくこの状態だろう。
靴擦れがひどくなってタコができたかかとを撫で、容赦なく吹き付ける北風に震え上がった。
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