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大きなビルに行列が出来ている。
アヤちゃんは行列に並ばずにスタッフに声をかけた。
「すぐ入れる?」
身長の高い強面のスタッフはアヤちゃんを見てにっこり笑った。
「久しぶりじゃん、アヤ嬢!今日もズル休みか?すぐ入れるようにするよ、アヤ嬢気分屋だから入れないと何処か行っちゃうだろ?後ろの子は友達?」
アヤちゃんは私の肩に手を回して言った。
「ありがとう。この子はエリちゃん。姉妹じゃないよ、うちら双子なの」
ハハハ、と笑いながらスタッフは私たちを中に入れてくれた。
後ろの行列を見ると、何人かの女のコたちが睨みつけてきた。
「気にしないの、ゲストも取れないコネ無し女の吹き溜まりだよ」
「アヤ嬢の毒舌、久しぶりに聞いたわ。エリちゃんだっけ?ココ、本当は身分証提示しないとダメだけど、アヤ嬢と一緒だから今日は特別顔パスね」
ゲスト、顔パス、初めて聞く言葉だけど、私たちは特別なんだと解った。
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