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8章:相談
あたしはその後もキャバ嬢を続け、確実に光輝のもとへ行く回数は増えた。あたしが来るようになってNo.5からNo.3になれたと光輝は言っていた。光輝はあたしによく大好きだと言ってくれる。営業だよねって思ってても、浮気するな、とか俺以外の男と会うな、とか言われると勘違いしそうになった。今になって思えば、あたしは恋愛経験が少なかったからだなぁ、と哀れに感じるけど。
今日もキャバのシフトに入っている。
「美稀ちゃん(あたしの源氏名)、伊藤さん来てるよ」
「はぁい。」
あたしはすぐに伊藤さんの卓に向かった。
「美稀ちゃん。早くおいでー。」
「伊藤さん。来てくれたんですね〜」
伊藤さんはあたしが座るなりお尻に手を回してきた。
「もう、伊藤さんたら〜だめですよ〜」
最近、あたしは伊藤さんに執拗に体の関係を求められている。あたしは伊藤さんを逃したら売り上げとしてかなりの痛手だったため、はっきりとは断らずいつもうやむやに返答していた。デキるキャストだったらここで上手く断ったりできるんだろうけど、あたしにそんな実力は無かった。かといって思い切って寝てしまう勇気も、この時のあたしは持ち合わせていなかった。
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